丸駒温泉-丸駒温泉旅館-北海道 北海道の支笏(しこつ)湖畔に停(たたず)む一軒宿『丸駒温泉旅館』。大正4年の開業時には周囲に道もなく、定期船が唯一の交通手段だった。昭和45年になって道路が開通。現在では建物も漁洒(しようしや)なリゾートホテルのようになった。秘湯の印象は薄れたものの、湖岸に自噴する露天風呂は往時のままの姿を留(とど)めている。 この露天風呂の水位は、湖の水面と連動する。湖面が下がれば湯量も減り、自然に湖面と同じ高さを保つという。湯船の底からは源泉が湧き出し、それが足の裏で感じられる。まさに、天然の温泉だ。内湯から続く、テラス付きの露天風呂もある。こちらの湯はやや赤みを帯び、鉄分 .....
見頃/10月下旬〜11月中旬 韓国(からくに)岳、高千穂(たかちほ)峰など、22の山々が連なる霧島連山。その南斜面の中腹、標高500〜800mあたりに、大小10余りの温泉が点在している。それらを総称して、霧島温泉と呼ぶ。大型リゾートホテルから、秘湯の趣のある湯宿までが揃った温泉郷だ。 霧島は、古くから湯量、泉質に優れた温泉地として知られていた。幕末の志士、坂本龍馬も湯治に訪れたことがある。 1866年1月、龍馬は京都の寺田屋で幕府側の追っ手に襲われ、両手に深い刀傷を受けた。その傷を癒(いや)すために向かった先が、霧島温泉。西郷隆盛に勧められたともいわれるが、新妻、お龍(りよう)を伴っての旅は、 .....
九州を代表する景勝地、耶馬渓(やぱけい)。奇岩と渓谷による自然の造形美は、江戸後期の儒学者であり、漢詩人でもある頼山陽に(らいさんよう)“日本随一”と言わしめたほどだ。 四季折々に、山水画のような美しい景観を見せてくれるが、この地が観光客で最も賑(にぎ)わうのは秋。黄色から赤まで、モミジなどの紅葉が、岩肌を見事に染め上げる。 耶馬渓とひと括(くく)りに言っても、実際には本耶馬渓、裏耶馬渓、奥耶馬渓など、いくつもに分かれている。その中で、特に紅葉の名所として名高いのが、深(しん)耶馬渓にある一目八景(ひとめはつけい)。展望台からは仙人岩、夫婦(めおと)岩、烏帽子(えぼし)岩など、8つの絶景が一度 .....
見頃/11月上旬〜11月下旬 “ひと目千本”と称されるのが奈良県吉野山の桜だ。麓(ふもと)から順に開花を姑め、1か月にわたって山を淡いピンクに染めていく。 紅葉は、モミジ類のほかにもいろいろある。ひときわ鮮やかな「漆(つるし)紅葉」や「櫨(はぜ)紅葉」、明るい黄色に染まる「銀杏(いちよう)黄葉」に、「柿紅葉」。そして、桜は「桜紅葉」と呼ばれている。 宝の家でなんといっても素晴らしいのは、露天風呂からの眺望。宿のある中千本だけではなく、さらに奥に入った上千本(かみせんぼん)までもが一望できる。温泉に浸かると、眼下には桜紅葉が広がる。 「阿畔(あうん)の湯」と総称されるふたつの露天風呂の泉質は、炭 .....
日本列島を紅葉前線が下り、冬支度を迎える頃でも、南伊豆はそれほど寒くはない。陽の光や風は、どことなく穏やかだ。 下賀茂温泉の『伊占奈』は、椿の宿として知られている。春、80種にも及ぶ花が、その美しさを競うように咲く。そんな温暖な土地でも、秋には紅葉が見られる。 11月下旬、露天風呂周辺のモミジがほんのりと色づく。気象庁の観測によれば、静岡県は九州の宮崎県や鹿児島県などと並んで最も遅く紅葉を迎える地。これが、日本列島で楽しめる最後の紅葉といって過言ではない.。 泉質は食塩泉、源泉温度は100度に近い。この高温の蒸気を利用したのが天然の蒸し器、温泉ふかしで、宿の調理にも使われる。約30分で、ゆで卵 .....
かつては西の道後(どうご)(愛媛県)、東の湯田中」と並び称された名湯が、長野県の湯田中湿泉だ。開湯は1300年前。草津街道の宿場町として栄え、俳人、小林一茶(いつさ)もしばしばこの温泉を訪れている。今も共同浴場の湯元「大湯」の前には、一茶の句碑が残っている。 その大湯に隣接する湯宿が、創業200年の『よろづや』。純木造の伽藍(がらん)建築の大浴場、「桃山風呂」は宿の顔だ。脱衣室の床の寄木(よせぎ)細工や雑(きじ)の木彫りなど、豪華な造りはとても湯殿とは思えない。 一方、この内湯に続く庭園の露天風呂では、湯に浸かりながら四季の移ろいを感じることができる。春は桜やツツジ、初夏には新緑、そして秋は、 .....
利根川の源流、群馬県は宝川の河畔に湧(わ)く宝川温泉。その源泉の一軒宿が『江泉閣』である。露天風呂は山間を流れる川に沿うように、全部で4つ。そのどれもが、50畳相当から約200畳までと非常に大きい。自然と調和した、野趣溢れる露天風呂である。 湯船で手足を伸ばしながら、紅葉を愛(め)でる。ブナはうっすらと黄色に変わり、陽を浴びるとキラキラと輝く。モミジは橿色(だいだいいろ)のものもあれば、早くも濃い紅に染まってふと、「命の洗濯」という言葉が浮かんできた。 奥利根の川魚料輝に占鼓 宝川温泉の開湯は古く、古代伝説上の英雄、日本武尊(やまとたけるのみこと)が湯に浸かったという言い伝えも残る。温泉旅館と .....
秋田県の乳頭山麓に点在する、乳頭温泉郷。黒湯(くろゆ)、孫六(まごろく)、蟹場(かにば)などの温泉の中で、最も早く開かれたといわれるのが、『鶴の湯温泉』である。秋田藩主、佐竹氏の湯治場としての歴史を持ち、藩主の警護にあたる武士が詰めていた本陣が今なお残る、一軒宿だ。 宿の前に立つと、まるで時代劇のセットではないかと思えるほど。 山懐に擁(いだ)かれるように、茅葺(かやぶ)き屋根に黒い壁板の建物が現れる。明治の初めに改築されたとはいえ、蹄(ひな)びた湯治宿の姿を留めている。 篭気は自家発電。部屋にはテレビもなければ、電話もない。日常から遠く離れ、ゆったりと過ごす。湯に浸かり心身を解きほぐし、山菜 .....