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湯田中(ゆだなか)温泉「よろづや」

かつては西の道後(どうご)(愛媛県)、東の湯田中」と並び称された名湯が、長野県の湯田中湿泉だ。開湯は1300年前。草津街道の宿場町として栄え、俳人、小林一茶(いつさ)もしばしばこの温泉を訪れている。今も共同浴場の湯元「大湯」の前には、一茶の句碑が残っている。

その大湯に隣接する湯宿が、創業200年の『よろづや』。純木造の伽藍(がらん)建築の大浴場、「桃山風呂」は宿の顔だ。脱衣室の床の寄木(よせぎ)細工や雑(きじ)の木彫りなど、豪華な造りはとても湯殿とは思えない。

一方、この内湯に続く庭園の露天風呂では、湯に浸かりながら四季の移ろいを感じることができる。春は桜やツツジ、初夏には新緑、そして秋は、黄色から赤へと変わっ
ていくモミジが、陽を浴びて湯を明るく染める。

木漏(こも)れ日の中、モミジの葉がハラハラ舞い落ちる。そんな様子をぼんやり眺めていると、時がゆったりと流れていくように思える。温泉は身体だけでなく、心まで解きほぐしてくれることを実感する。

「松籟荘(しようらいそう)」は本館横にある離れ。柱や床、天井に至るまで、吟味された材木が使われている。部膣ごとの意匠も凝っている。


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