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霧島温泉『旅行人山荘』

見頃/10月下旬〜11月中旬

韓国(からくに)岳、高千穂(たかちほ)峰など、22の山々が連なる霧島連山。その南斜面の中腹、標高500〜800mあたりに、大小10余りの温泉が点在している。それらを総称して、霧島温泉と呼ぶ。大型リゾートホテルから、秘湯の趣のある湯宿までが揃った温泉郷だ。

霧島は、古くから湯量、泉質に優れた温泉地として知られていた。幕末の志士、坂本龍馬も湯治に訪れたことがある。

1866年1月、龍馬は京都の寺田屋で幕府側の追っ手に襲われ、両手に深い刀傷を受けた。その傷を癒(いや)すために向かった先が、霧島温泉。西郷隆盛に勧められたともいわれるが、新妻、お龍(りよう)を伴っての旅は、日本で初めての新婚旅行ともいわれる。霧島温泉のある鹿児島県牧園(まきぞの)町では毎年2月、11日問にわたる龍馬の新婚旅行の足跡を辿る企画が催されている。

温泉街の中心から少し離れた、閑静な丘の上に立つのが『旅行人山荘』。高台に位置するため、錦江(きんこう)湾や桜島までが見渡せる。

この雄大な景色は全室から眺められるが、特等席は展望露天風呂だ。晴れた日には、うっすらと黄色を帯びた山並みの向こうに、白煙をたなびかせた桜島がくっきりと見える。目を転じると、ススキの穂が揺れている。草原を彩る草紅葉(くさもみじ)も美しい。

ふたつの展望露天風呂のほかにも、林の中に3つの貸切露天風呂がある。視界に入るのは、赤や黄に色づいた木立だけ。聞こえてくるのは、鳥のさえずりと林を渡る風だけ。身体がほぐれ、気持ちまで穏やかになっていく。

「赤松の湯」は朝夕の気温差が大きい時などには、無色透明の温泉が青みがかった乳白色になる。

宿泊客は、地元九州の人が多いという。そのため、料理にはそれほど強い郷土色を出していないが、鹿児島特塵の黒豚を使った鍋は、秋から冬にかけての定番だ。鹿児島名物のキビナゴや地鶏(じどり)の刺身は、別に注文することができる。



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